派遣切りの波

 大不況が報じられている昨今。私自身も派遣社員として働いているけど、“派遣切り”と呼ばれる派遣社員の雇い止めのニュースにどこか他人事のような気でいました。


 しかし、いわゆる“自動車業界”と呼ばれる私の派遣先。メインの自動車は減産体制になり、派遣・期間従業員の大幅な削減。そして自動車とは別部門である私が働いている部署にも、その波が押し寄せてくることに。私の部署では六人の派遣社員が働いていますが、今月に入り半分の三人に雇用終了の勧告が出されることとなりました。来年三月までの契約が、突如年内いっぱいにて解雇となることに。


 私もこの六人の中の対象者に入っていたのですが、どういう選考基準だったのか今回は残留という形になりそうです。しかし一方で、二年間同じ仕事をしてきた派遣社員のNさんは雇用終了になるだろうとのことでした。今まで良い関係で仕事をしてこられたので、私としては何とも言えず悲しい気持ちになりました。また、他のグループで仕事をしているIさんからも雇用終了になりそうだと、本人より聞かされました。二人とも他社の派遣さんでしたがとても良くしてくださっていただけに、こういった形で会社を去らざるをえなくなり、本当にやりきれない気持ちでいっぱいです。そんな私も今回はたまたま対象とならなかっただけで、今の会社の状態を考えると、来年の三月の契約期間満了をもってほぼ間違いなく雇用終了となるのだろうと思います。派遣である以上こういうことは予測できたけど、いざ言われてみると結構動揺している自分がいたりして。


 今回の経験を通じて、やはり派遣社員は立場が弱いんだなぁと思いました。しかし、派遣という働き方は最低限の仕事さえやっていれば社員並みの責任を問われることは少ないし、サービス残業や会社の行事参加も無理にしないで良いなどメリットがある。その分、割り切らなくてはやっていけないこともあったり、やりがいは少ないかもしれないけど、少なくとも私自身、そのメリットに甘んじてきた部分があります。現に私は五年前に社員を辞めてから正社員の職探しは一度もしたことがないし。


 中には正社員の職がなくて止む無く派遣の道を選んでいる人もいると思いますが、私の場合はそうではないので、この現実をしっかり受け止めてこれからの道を模索するしかないなと。そう思う次第です。でもな、うーん、これから先どうしようかな・・・。